経営事項審査の項目でも触れましたが、建設業者が公共工事(国または地方公共団体等の公的期間が発注する建設工事)を発注者から元請として請け負おうとする場合、発注者が実施する入札に参加し、案件を落札しなければいけません。この入札に参加する為には、事前に公的機関に対して申請を行い、入札参加資格者名簿への登録を受けることが必要です。
申請方法は、従来の紙の書式による申請か、もしくはインターネット上での電子申請の形式のどちらかが採用されており、各公的機関によって異なります。申請先がどの様な方式を取っているかは事前に確認が必要です。ここでは兵庫県が発注する公共工事を請け負いたい場合の申請方法と手続きの流れを例に挙げて説明します。その他の公的機関については、各自治体のホームページ等で確認することができます。
現在、兵庫県では「建設工事入札参加資格審査【令和4・5年度追加受付】」を実施しています。こちらの申請方法と手続きの流れについて記載します。
電子申請(兵庫県電子申請共同運営システム(e-ひょうご))
受付期間:随時受付(令和4,5年度追加受付の場合、5期間設定され各期間10日間程度受け付ける。)
手数料:無料
名簿の有効期間:名簿登録から令和6年9月30日まで(令和4,5年度追加受付の場合)
①申請要領の確認(ページ下部の参考資料1を参照)
申請を受け付けない要件に該当していないか事前に確認します。
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②ID、パスワードの発行
電子申請システムを利用して、申請書を入力する際に必要となります。各申請受付期間中の「ID、パスワード発行申請期間」中に郵送で申請します(申請先:兵庫県土木部契約管理課)。添付書類として、有効な総合評定値通知書(写し)を同封します。このID、パスワードは代理人が申請することもできますが、申請者の情報が必要です。
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③提出書類の準備
電子申請書送信後、3日以内(土曜、日曜及び祝日を除く)に発送する必要があるため、事前に必要書類を確認して準備しておく必要があります。
(1)全ての申請者が提出する必要のある書類
(例:総合評定値通知書、建設業許可申請書、工事経歴書、など)
(2)兵庫県内に本社(店)、支店又は営業所等を有する場合に提出する必要のある書類
(3)希望する工種により提出する必要のある書類
(4)技術・社会貢献評価数値の加点希望をする場合に提出する必要のある書類
※(1)は必須、(2)~(4)は該当する場合のみ提出する。
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④電子申請
兵庫県ホームページから電子申請システムにログインし、申請書に内容を入力し、申請付帯情報に連絡先を入力して送信します。送信が完了すると到達確認画面になります。画面に表示される「到達番号」と「問合せ番号」は、この後の取扱状況を照会する時などに必須となります。
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⑤提出書類を郵送
電子申請を送付しただけでは申請は完了しておらず、提出書類を郵送する必要があります(送信後3日以内の発送が必要)。到達確認画面の 「別送先印刷用表示」ボタンを押すと、「別送書類送り先情報」の画面が表示されますので、そちらへ送付します。
(注)別送書類送り先情報に記載のある書類について、必要な書類のみ送付する。
送付先:
【県内業者】 対象者を管轄する県民局(県民センター)の総務企画室(県民交流室)の総務防災課(財務課)
【県外業者】 土木部契約管理課
⑥審査、補正
提出書類が到着次第、審査が行われます。審査の結果、申請内容の補正が必要なときは申請付帯情報に入力したメールアドレス宛てお知らせが届くので、電子申請画面にログインし、補正指示欄の内容に従って申請書を修正し再送信します。
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⑦審査の完了
審査完了後、審査結果通知書が、申請付帯情報のメールアドレス宛てに届くので、印刷して保存します。
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⑧名簿登録
各申請受付期間に対応した日に登録されるので、内容を確認します。
以上が、入札参加資格審査申請についての兵庫県における申請方法の説明です。入札参加資格名簿に登録する為に必要な審査であり、また、当該公的機関の公共工事を請け負うには、毎年、決算変更届を提出後、経営事項審査を受審して、有効期間が切れない様に最新の総合評定値通知書を得ておかなければいけません。
当事務所では、ご希望の公的機関への入札参加資格審査に関し、事前に必要となる経営事項審査及び決算変更届も含めてサポートさせて頂きます。是非、当事務所にご相談ください。
参考:
1.兵庫県土木部契約管理課, 2022, 「令和4・5年度 建設工事の入札参加資格審査申請要領【追加受付用】」, 兵庫県庁, (2023年3月28日取得, 令和4・5年度 入札参加資格審査申請要領【追加受付用】
2.塩田英治, 2022, 改訂版, 「建設業許可・経審・入札参加資格申請ハンドブック」, 第3章(p.230~p.272), 日本法令